ニューヨーク、マンハッタンのカフェ「TOKUYAMATCHA & ONIGIRAZU BAR」で販売されている、とあるユニークなおにぎりが、SNSや口コミを通して注目度が高まっている。オーナーで、同商品の生みの親である辛川知さんを取材した。

◆「おにぎりがそこまで認知されていなかった」
所狭しと具材がぎっしり詰まった「萌え断(萌える断面)」が特徴の「おにぎらず」。商品名の通り、握らないタイプのおにぎりだが、フードにも美しいビジュアルを求めるニューヨーカーにとってはウケが良く、「ニューヨークで1番のおにぎり見つけた」「このおにぎりヤバイ」と、TikTokやインスタグラムでこのビジュが拡散され、「アメリカナイズされたおにぎり」の認知が広まっていっている。
「販売を始めた頃はおにぎりがそこまで認知されていなかったので、『どうすれば現地のお客さまに受け入れてもらえるか』を考えたとき、すでにあるものをそのまま提供するのではなく、何か新しい形でアプローチできないかと考えました、その時に思い浮かんだのが、アメリカのファーストフードであるサンドイッチだったんです」と、オーナーの辛川さんは「おにぎらず」誕生の経緯を話す。

おにぎりの要素を活かしながら、具材に野菜やたんぱく質をたっぷりと詰め込み、サンドイッチ感覚で楽しめるおにぎりを目指したところから生まれた「おにぎらず」。フレーバーはサーモンアボガドにツナ&エッグ、照り焼きチキンやラーメン(その名もRamen-ish)常に20種以上のメニューが揃っており、注文してから作られるので、常に出来立てが食べられるのもうれしいポイントだ。

◆「食を通じた日本との繋がり(結び)を」
現在この「おにぎらず」が購入できる場所はマンハッタンに2カ所あり(イーストビレッジとフラットアイアン)、フラットアイアン店は一連の反響を受けて2024年秋にオープンしたばかりだ。
辛川さんは、「私たちのカフェを通じて日本文化の魅力を海外に広げたいという願いもあるので、おにぎらずや抹茶をきっかけに、食を通じた日本との繋がり(結び)をお客さまに感じていただきたい。お店そのものがニューヨークにおける日本文化のハブとなるような存在になれば」と、期待を込める。
取材・文/ナガタミユ
写真/「TOKUYAMATCHA & ONIGIRAZU BAR」提供
TOKUYAMATCHA & ONIGIRAZU BAR
住所
イーストビレッジ店:627 E. 6th St.
フラットアイアン店:115 E. 27th St.
営業
10:00〜18:00
公式インスタグラム
https://www.instagram.com/tokuyamatcha/
関連記事
NYで今「カルト的人気」を誇るベーグル オープンから4カ月、長蛇の列で「立ち退き」騒ぎに
RECOMMENDED
-
NYの「無賃乗車」対策にまさかのアイテム 地下鉄の改札に現れたのは?
-
連載『夢みたニューヨーク、住んでみたら?』 Vol.6 日本のトイレにあったアレ
-
移民の権利、まず「ドアを開けないで」 取締官への対応策を知ろう
-
NYで最も家賃が高い地区は?「高級エリア」と「注目エリア」が全く異なる結果に
-
連載『夢みたニューヨーク、住んでみたら?』 Vol.5 アメリカには存在しない便利アイテム
-
塩、コーヒー、教科書まで軒並み値上がり トレジョの卵は一人1パックまで
-
変わった “おにぎり” がNYで流行 ビジュ重視なニューヨーカーを虜に「当時はそこまで認知されていなかった」
-
クイーンズ·リッジウッド、2年連続首位 NY市の「住みたい地区」トップ10
-
世界の駐在員、ブルックリンに注目 NYなのに故郷を思い出す?
-
マンハッタンの中心地に「独立系レコード屋」 1号店からわずか3分先にオープン