トランプ政権が仕掛ける貿易戦争の影響で、欧州産ワインの価格が高まるとの懸念がレストランのオーナーの間で高まっている。既に薄利にあることから、「死活問題」との声も聞こえる。ニューヨークポストが25日、伝えた。

欧州連合(EU)は4月初めからアメリカ産ウイスキーに50%の関税を発動すると発表。トランプ氏は、EU産ワインに200%の関税をかけて報復する考えだ。「店はアルコール飲料の売り上げに頼っている。関税が上がれば、店は続けられない。死活問題」と話すのはノリータにある地中海料理店 Boni & Mottのオーナー、メフディー・モクラニさん。ワインの売り上げは全体の約半分。多くはフランスやイタリアのワイナリーから購入しているという。ミシュラン3つ星フレンチシーフードの Le Bernadinのエグゼクティブシェフで共同経営者のエリック・リパートさんは、トランプ第一次政権下の20〜25%の関税は覚悟の上だ。「それならなんとかやっていける」と説明する。その関税はバイデン政権下で廃止された。そして、「欧州産は打撃を受ける。ニュージーランド、アルゼンチン、チリ、南アフリカのワインに頼ることになる」と分析している。地中海料理の人気店 Amaliの共同経営者、カイリー・モナガンさんも「市内では既にワインの価格が異常に高騰している」と指摘。薄利であるため、関税による値上げは価格に転嫁せざるを得ない。「さらに価格が上がる」と予想する。
ツケは消費者にも回ってくる。非営利団体ニューヨーク市ホスピタリティーアライアンスのエグゼクティブディレクター、アンドリュー・リジーさんは「関税でレストランやバーのコストは上がる。ワインの価格を上げるか、利益縮小を我慢するか、ワインリストから外すかの選択になる」とコメント。「いずれにしても、消費者やレストラン業界が損をする」と苦い顔をした。
編集部のつぶやき
地ワインを探求するチャンスかもしれないですね。(A. Kobayashi)
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