トランプ政権による移民・国境政策の厳格化により、ニューヨーク市では海外からの新規流入が急減し、人口回復に急ブレーキがかかっている。米国勢調査局が26日公表した新しい推計によると、2025年7月時点の市の人口は858万人で、前年と比べ約1万2200人減少。20年初頭のピークだった約880万人をなお下回った。ニューヨークタイムズが同日、伝えた。

2020年のパンデミック発生以来、世界からの移住によりニューヨーク市の人口は約54万4100人増加した。その中には、米南部の国境を越え、市内のシェルターで新たな生活を始めた多くの人々も含まれている。しかし、24年6月から25年7月までの1年間に海外から増えた住民は約6万6000人にとどまり、前年の約22万人から70%も減少した。全米の大都市圏でも国際移動の鈍化は見られるが、ニューヨーク市の落ち込みは特に大きく、スタテン島を除く4つの区が全米でも減少幅の上位トップ10に入った。
ニューヨーク市では、出生数と死亡数は比較的安定しており、新たな推計値では出生数が死亡数を約3万6100人上回った。しかし、その増加分は、アメリカ国内の他の地域へ移住するニューヨーカーの数によって相殺された。これは長期的な傾向だが、パンデミック中に加速し、市は新規移住者による人口増加分を上回る33万人の人口を国内の他の地域へ流出させた。
都市の回復力弱める移民の減少
専門家は、若く働き手となる移民が減れば、飲食、介護、保育、清掃など他人が引き受けないような職種に影響が及び、都市の回復力も弱まると指摘。移民は子どもの世話や高齢者ケアの担い手でもあり、高齢化が進む都市にとって欠かせない存在だからだ。
背景として考えられるのは生活費の高さや手頃な住宅の不足だ。区別ではクイーンズが約8900人減、ブルックリンが約4700人減、マンハッタンが約650人減。特に外国生まれの住民が多いクイーンズとブルックリンでは、海外からの新規流入の減少が目立った。市当局は、過去推計の見直しでパンデミック後の回復は従来より堅調だったと説明するが、今回の数字は、移民の勢いが鈍ると都市全体の人口と経済の持ち直しも止まりやすい現実を改めて示すこととなった。
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