物価の高騰が続くニューヨークで、市民の生活はかつてないほど厳しさを増している。収入水準が大きく異なる中でも、多くの人に共通するのは、限られた収入で生活をどう維持するかという現実的な課題だ。それでも人々はこの街にとどまり、それぞれ工夫をしながら暮らしている。 数百人のニューヨーカーに家計事情を質問、ニューヨークタイムズがレポートした。

収入差でも共通する「やりくり」の現実
スタテン島在住のニューヨーク州公園局の職員は年収3万7500ドルで生活し、クイーンズでは年収2万4000ドルのハウスクリーナーが暮らしている。一方、マンハッタンでは14万ドルの収入で5人家族を支える世帯もあり、同じ都市の中でも生活状況の差は大きい。それでも、それぞれが支出を調整しながら生活を成り立たせている点は共通している。
家計を圧迫しているのは主に住居費だ。これに加え、食料品や交通費、子育て費用の上昇が負担をさらに大きくしている。特に子どもを持つ世帯では教育や保育にかかる費用が重く、生活に余裕がないケースも少なくない。また、このような状況の中で貯蓄が難しいと感じる人も多い。
多くのニューヨーカーは支出を見直しながら生活している。食費を抑えたり外食を控えたりする他、副業などで収入を補うなど、生活を維持するためのさまざまな知恵を重ねている。また、旅行や趣味といった小さな楽しみを確保することで、生活のバランスを取る姿も見られる。
それでもNYに住み続ける理由は?
それでも多くの人がここに住み続ける理由は、雇用の機会の多さや街への愛着にある。多様な人々が集まるニューヨークは、キャリアの可能性にあふれている。一方で、桁外れともいえる家賃、不動産価格の高騰から、「長期的に見てここに住み続けられるかどうか、あるいはここに住み続けたいかどうか、まだ分からない」という人もいる。
しかし、ここ5年か10年の間に多くの人々がニューヨークを去ったり、去ることを考えたりしていることは、紛れもない事実だ。特に子どもを持つ世帯の間での会話は、「果たしてこのままやっていけるだろうか?」といった内容のものが多いという。
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