マンハッタンの連邦地裁判事は6月24日、司法省が大陪審召喚状を使って患者の医療記録を入手することを一時的に差し止めた。対象はNYUランゴンヘルス、マウントサイナイ病院などの市内の医療機関で、18歳未満時に思春期ブロッカーやホルモン療法などを受けたトランスジェンダーの患者が含まれる。地元ニュースサイトのゴッサミストが同日、伝えた。

トランスジェンダーの市民グループが、NYUランゴンヘルスと司法省を相手取り起こした集団訴訟で、原告側は、トランプ政権による記録要求が、トランス当事者への攻撃やジェンダー肯定医療の縮小を狙う広範な動きの一部だと主張。司法省がNYUランゴンヘルスに求めた資料には、患者を特定できる情報、医療従事者の人事記録、診療費請求や医療コードに関する記録などが含まれていた。
仮差止命令は、少なくとも7月8日に予定されている次回の公判まで有効。NYUランゴンヘルスはコメントを控えた他、司法省もコメント要請に対し直ちには回答しなかった。
トランプ政権に屈したと批判
病院側は、仮に記録提出が必要になった場合は個人情報を伏せる方針を示していた。しかし判事は、AIなどの技術を使えば完全な匿名化を保証するのは難しいとの懸念に言及。マウントサイナイ病院前では、患者や家族が判決に一定の安堵を示す一方、将来的に記録が司法省に渡る可能性への不安は残ると語った。
この問題は、NYUランゴンヘルスやマウントサイナイ病院が今年、未成年へのジェンダー肯定医療を停止したことへの批判が高まる中で起きた。LGBTQ+支援団体の一部は、両病院が政権に屈したとして、28日に行われるNYCプライドマーチからの排除を求めている。
プライバシー保護のあり方問う判例に
アメリカでは、政府が令状や召喚状に基づき医療記録を求めること自体が直ちに違憲とされるわけではない。ただし、要求の範囲が広すぎる場合や、特定の集団を標的にした政治的目的が疑われる場合、憲法上の「プライバシー保護」や「不当な捜索の禁止」に反するとして裁判で争われる。
今回の裁判の争点は、トランスジェンダー医療だけではなく、「国がどこまで個人の医療情報にアクセスできるのか」といったプライバシー保護のあり方にある。専門家の間では、判決次第では今後、中絶や不妊治療、精神医療、ワクチン接種歴、薬物依存治療など他のセンシティブな医療分野でも同じような情報請求が行われた場合の「前例になる可能性がある」との見方も出ている。
RECOMMENDED
-

客室乗務員が教える「本当に快適な座席」とは? プロが選ぶベストシートの理由
-

NYの「1日の生活費」が桁違い、普通に過ごして7万円…ローカル住人が検証
-

ベテラン客室乗務員が教える「機内での迷惑行為」、食事サービス中のヘッドホンにも注意?
-

パスポートは必ず手元に、飛行機の旅で「意外と多い落とし穴」をチェック
-

日本帰省マストバイ!NY在住者が選んだ「食品土産まとめ」、ご当地&調味料が人気
-

機内配布のブランケットは不衛生かも…キレイなものとの「見分け方」は? 客室乗務員はマイ毛布持参をおすすめ
-

白づくめの4000人がNYに集結、世界を席巻する「謎のピクニック」を知ってる?
-

長距離フライト、いつトイレに行くのがベスト? 客室乗務員がすすめる最適なタイミング
-

機内Wi-Fiが最も速い航空会社はどこ? 1位は「ハワイアン航空」、JALとANAは?
-

「安い日本」はもう終わり? 外国人観光客に迫る値上げラッシュ、テーマパークや富士山まで








