2016年2月2日 COLUMN Dr. 石谷三佳 なるほど!ザ・カイロ アーカイブ

Dr. 石谷三佳 なるほど!ザ・カイロ 毎月第1月曜号掲載 VOL.61 原因究明が急がれる病気「線維筋痛症」

 線維筋痛症(せんいきんつうしょう・Fibromyalgia)という病名を聞いたことはありますか? 線維筋痛症は全身の広い範囲にわたって痛みを感じる病気です。
 約600万人の米国人はこれを患っているそうです。米国における有病率の調査では、女性で3・4%、男性は0・5%、人口の2%といわれ、女性に圧倒的に多い病気です。日本では厚労省の調査班が人口の1・7%という結果を報告しています。
 線維筋痛症は1990年代に入ってから米国を含む諸外国で徐々に注目されるようになりました。日本では2003年に病気の原因解明のための研究班が厚生労働省と区別科学研究費をもとに組織されたばかりです。私たち一般の人間が線維筋痛症という名前を初めて耳にしたのは、日本テレビのアナウンサーが線維筋痛症を苦に自ら命を絶ったというニュースだったかもしれません。それくらいに社会的にも認知されていない病気ですし、研究もまだまだ発展途上の病気です。
 この病気の原因やメカニズムはまだよく分かっておらず、何らかの免疫異常が関係しているのではと考えられています。そのためなかなか診断がつきにくく、お医者さんにもよく分からないということが多いのが現状です。周囲の理解を得ることが難しいため、患者は精神的に辛い状況に陥ることも少なくありません。検査で異常がないため、病院を転々とすることも珍しくありません。
 痛みの症状は、首~肩、背中や腰部、臀部などの体幹部や、太ももや膝、下肢などの痛みやしびれ・こわばり感、また眼の奥や口腔の痛み、頭痛までさまざまです。また、普通なら痛みを感じない程度の刺激に対して痛みを感じることもあります。痛む箇所は移動することもあり、気候や過労・ストレスなどで痛みの度合が強くなることもあります。関節リウマチとよく似た関節痛などの痛みを訴えることも多いそうです。また、からだの痛み以外にも睡眠障害や抑うつ感、頭痛、耳鳴りなどさまざまな症状を伴うことがあります。
 線維筋痛症については治療法が確立されていないものの、症状の緩和を目的としてカイロプラクティックの治療法も支持されています。骨の歪み(サブラクセーション)を正し、神経の流れ(自然治癒力)を正常にすることが目的です。矯正(Adjust)で患者の自然治癒力が最大限に発揮され、それにより症状の改善を期待できます。
 カイロプラクティックは病気の改善のために背骨を中心に扱います。なぜなら脳からの全ての信号、または脳への全ての信号(痛みやそのほかの感覚など)は背骨を通っているからです。そのため、カイロプラクターは背骨の位置を調整し、矯正することによって症状の多くを解決することができると考えています。線維筋痛症の場合でも、痛みのある箇所ではなく背骨の矯正によってアプローチします。またマッサージ治療、超音波、電気刺激による良好な結果が出ています。

Dr. 石谷三佳
石谷カイロプラクティッククリニック院長。パーマーカイロプラクティック大学院卒後、ハーバード大学医学部専門課程終了。米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員も務め、2008年には「Chiropractor of the Year」を受賞。寄稿著者に“Neck Pain…
You Don’t Want It, You Don’t Need It”がある。

石谷カイロプラクティックセンター
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