馴染みの店員に一生分のチップ 大物美術収集家の遺言

 アジア美術の収集家として有名だったロバート・エルスワース氏が昨年死去した後、行きつけのレストランのウェイトレス2人に遺言で5万ドルずつ残していたことが判明し、各メディアが伝えた。
 同8月に85歳で亡くなった同氏は、生前数十年にわたりアッパーイーストのドナヒューズ・ステーキハウスに通う常連客だった。遺産を送られたモリーン・ドナヒュー・ピーターズさん(53)と姪のモリーン・バリーさん(28)は「昼と夜に来店する日も多く、ここは彼のダイニングルームだった」と話す。同氏は常に20%のチップを払う上客で、チェックを調べることもなく「勝手にチップを足しておいてくれ」と言うだけだったという。
 世界でもっとも裕福なアジア美術収集家と言われた同氏は、専門知識の深さから「明朝の王」と呼ばれ、20部屋もある5番街のアパートは同氏が収集した美術品であふれていた。
 推定遺産総額2億ドルのうち、1000万ドルと宝石や不動産などは40年来の友人で住み込みシェフでもあったハシグチ・マサヒロさんが受け取ることになっており、美術品は大学や美術館へ寄付されるという。

photo: Hans

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