連邦政府の資金削減と補助金の期限切れにより、ニューヨーク州は州が運営する保険料無料のプログラム「エッセンシャルプラン」の加入資格を制限。7月1日から約45万人のニューヨーカーが健康保険を失った。中所得層や一部の合法移民は加入資格を満たさなくなったため、高額な民間保険に切り替えることを余儀なくされている。

「エッセンシャルプラン」とは、低・中所得の成人の医療保障の格差を埋めるために創設された、州が運営する健康保険プログラム。同プログラムは、標準的なメディケイドの受給資格を得るには所得が多すぎる一方で、民間の健康保険を余裕を持って加入できるほど所得が十分ではない住民を対象としている。最近まで、月額保険料0ドル、自己負担額なしの条件で、包括的な給付が提供されていた。
「エッセンシャルプラン」の月額保険料は0ドルであるのに対し、民間保険市場におけるシルバープランの平均月額保険料は、基本的な補助金を含めて現在220ドルと推定されており、一部のブロンズプランでは月額680ドル以上という見積もりが提示されている。専門家たちは、年間1万ドル以上の追加医療費を支払う余裕が全くないため、多くの人が保険に加入しないことを選ぶのではないかと懸念している。
「One Big Beautiful Bill」に起因
削減は全米で施行されたトランプ政権による連邦法「One Big Beautiful Bill」が直接の原因。これにより、ニューヨーク州が数十万人の健康保険料を補助するために試験的に実施していた「1332条免除」の運営資金が大幅に削減された。ニューヨーク州は保険適用範囲のさらなる縮小を防ぐため、連邦のガイドラインに準拠するようプログラムを改定、この変更により約130万人の低所得者に対する保険適用は維持されたが、連邦貧困ラインの200%から250%の所得層※に対する給付は完全に打ち切られた。
※単身者で最大3万9900ドル、3人家族で最大6万6625ドル
影響を受けるのは?
健康保険の適用終了の影響を受ける主なグループは次の2つ。
1. 中所得者 年収がおよそ3万2000ドルから4万ドルの個人(または年収6万6000ドルから8万2000ドルの世帯)
2. 特定の合法移民※※ 資格要件の厳格化により、以前は保護対象となっていた特定の合法移民が現在では対象外に
※※代表的なグループは下記の2つ
DACA 「幼少期にアメリカへ到着した者に対する強制送還の猶予措置(DACA)」プログラムに基づき、強制送還の一時的な猶予と就労許可を付与された個人。いわゆる「ドリーマー」と呼ばれる人たち。
グリーンカード(永住権)取得から5年未満の人 1996年に成立した連邦福祉法(PRWORA)により、新規のグリーンカード保有者がメディケイドなどの所得審査に基づく連邦給付を受ける資格を得るには、5年間の厳格な待機期間が課されている。
今後の選択肢
エッセンシャルプランを失うということは、健康保険を完全に失うリスクがあるということだ。しかし、新しい保険に移行するための選択肢はまだある。
• マーケットプレースの保険プラン ニューヨーク州のマーケットプレース(New York State of Health)で、新しい健康保険プランを探せる。月額保険料が発生する可能性はあるが、多くのプランでは費用を抑えるための連邦政府の補助金を受けられる。
• 雇用主による健康保険 勤務先で健康保険が提供されている場合、その選択肢を検討しよう。健康保険を失うことは「適格なライフイベント」と見なされ、通常の加入期間外でも加入できる。
• 遅延加入の救済措置 新しいプランへの加入手続きを2026年8月30日までに行った場合、7月1日まで遡及して保険適用を受けられる。























