企業に対し「人間を採用するのをやめろ」と訴えるディストピア的なビルボード(広告看板)がマンハッタン各地に出現、物議を醸している。ニューヨークポストが21日、伝えた。

(photo:Redditの r/ABoringDystopiaさんの投稿からスクリーンショット)
タイムズスクエアの看板を写したRedditの投稿に、ある人は「壊せ」と激怒。「破壊行為がこれほど正しいと感じたことはない」と投稿する人も。一方、TikTokでは、「AIの同僚と働きますか?あるいはさらに質問しますが、AIを信頼しますか?」の動画がバイラルに。Instagramには、「ニューヨークでこの広告を見たとき、トラックに轢かれたような衝撃を受けた…業界全体が再編されている。私たちはそれに抵抗し、恐れることもできる…あるいは、正面から向き合うこともできる」との投稿も見られる。
衝撃的な広告は、サンフランシスコを拠点にAI搭載の営業担当「Ava」などのバーチャル“従業員”を販売するスタートアップ企業、アルチザンAI(Artisan AI)が仕掛けたバズり狙いのキャンペーンの一環。同キャンペーンは昨年、カリフォルニア州でスタートし、先月からニューヨークでも展開中。共同創設者兼CEOのジャスパー・カーマイケル=ジャックさんによると、タイムズスクエアやハイライン沿いなど、マンハッタン全域での広告掲載に費やした金額は5万ドル未満。本当の目的は認知度の向上ではなく、バイラル効果だという。
同社では、ニューヨークでの展開により、オンラインでのインプレッションが数億回に達し、サンフランシスコとロンドンでの以前のキャンペーンを上回る成果を上げたと推定。当初のキャッチコピーは、「生産性を高めよう」「AI でスキルアップしよう」といったありきたりなものだったため失敗。「人間の採用をやめよう」「アルチザンはワークライフバランスについて文句を言わない」「アルチザンは二日酔いで出社しない」といった大胆なキャッチを採用したところ、インターネット上で大反響を呼んだという。
強烈なメッセージにもかかわらず、アルチザンでは現在、人間を積極的に採用している。カーマイケル=ジャックさんは同紙に「私たちは生身の人材を信じている。AIは人間が使いこなすもの」と語っている。
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