皆さん、一週間お疲れさまでした。だいぶ日も長くなってきましたね。今週は、日本人学校の卒業式も行われ、日曜からはDaylight saving timeの始まりということで、新たなシーズンの始まりを感じますね。
新たなシーズンと言えば、先日Cornell TechやNYU、NewLabなどNYCにあるいくつかのイノベーション・プログラムを訪れる機会に恵まれました。実は、いつのまにかNYCは、シリコンバレーに次ぐ世界第2のスタートアップエコシステムとなっており、25,000以上のスタートアップが活躍し、年間$15B-$20B(3兆円)ものベンチャーキャピタル投資を受けるほどになっています。
Cornell Techは、2012年にGoogleのNYオフィスで始まったプログラムですが、イスラエルの大学との協業で作られ、2017年に今のRoosevelt Islandキャンパスに移ったという比較的若いベンチャー育成プログラムです。キャンパスには、全世界から優秀な学生が集まり、ビルもインドのタタグループの寄付によるものがあり、NYらしいグローバル感に包まれていました。またキャンパス内も、プレゼンテーションルームやミーティングルーム、カフェテラスなども非常に開放的かつアートにも囲まれており、オープンイノベーションを存分に感じました。このあたりは、さすが“日常が舞台”のNYですね。実績的には、この10年あまりで120弱のスタートアップ輩出と14のエグジットと、さすがですね。
ただこのNYにおけるスタートアップ“産業”の興隆は、一朝一夕にできたわけではなく、3期12年(2002-2013)にわたってNY市長を務めたMichael Bloomberg氏の影響も大きかったと思います。従来金融と不動産中心であったNYの産業を多様化し、パブリック・プライベート・ファンディングなどを通じて民間を巻き込み、さらには海外をも巻き込ビジョンと行動力が、20年ほどかけて今の興隆を築いたように思います。やはり、行政のリーダーシップというのは重要ですね。(ちなみに、Bloomberg氏は、昨年度も$3.7Bを寄付したそうです。UC Berkeleyの調査によると寄付は、メンタルヘルスも改善し、幸福度向上とストレス低減にもいいそうですので、ぜひ皆さんも。)日本も、最近ベンチャーに力を入れていますが、やはりNYのこのような取り組みは非常に勉強になるように思います。
そのようななか、Andrew Cuomo前NY州知事が、NY市長選への出馬を表明しました。Cuomo氏と言えば、コロナ中の連日の記者会見で一躍時の人なりましたが、その後女性へのセクハラにより2021年8月に3期10年の長期政権に幕を下ろしました。以前から出馬の噂があったことや世論調査で現職のAdams市長などを圧倒していることを考えると、出馬自体はそれほどの驚きではありませんが、これも、世の中が“品行方正さ”よりも、”実行力“を重視する”力の時代“に移行していることを表しているのかもしれませんね。
ではよい週末をお過ごしください。
代表 武田 秀俊
今週の1枚
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