ブルックリン・ブッシュウィックのワイコフハイツ医療センター前で2日夜、移民税関執行局(ICE)職員、ICEに対する抗議者、ニューヨーク市警察(NYPD)の間で激しい衝突が起き、8人が逮捕された事件で、NYPDがICEに協力したのではないかとの疑いが広まっている。移民コミュニティーのニュースを発信する独立系非営利メディア、ドキュメンテッドが4日、伝えた。

抗議者を押しのけるような姿も
ナイジェリア出身の移民、チドジー・ウィルソン・オケケさんが、オーバーステイ(滞在ビザの期限切れ)でICEに拘束された後、医療処置を求めて病院に運ばれたのが発端。現場にはICEの動きを監視する市民らが集まり、抗議者は200人以上に拡大。映像では、手錠と足かせを付けられた男性がICE車両へ運ばれる際、NYPDが抗議者を押しのけ、車両の扉付近に立つ様子も確認された。
NYPDは「多数の911通報を受け、混乱した群衆に対応しただけで、ICEとの事前の認識も調整もなかった」と説明。マムダニ市長も、NYPDが民事上の移民法執行を助けた事実はないと擁護した。一方、ブルックリン区長や移民支援者らは、NYPDが結果的にICEの移送を容易にしたのではないかと疑問を呈している。逮捕された8人は、過失危険行為、逮捕妨害、公務執行妨害、器物損壊の容疑で起訴され、別の1人には出頭命令が発行され、釈放されたという。現場にいた女性は、「彼らは救急車が来るたびに道を空けていた」と話し、抗議の目的は患者の安否確認だったと主張した。
聖域都市法と取り締まりの境界どこに?
ニューヨーク市は「聖域都市」として市職員や警察が連邦の民事移民取締りに協力することを原則、制限している。したがって、NYPDが単に交通整理や暴力行為の防止をしただけなら違法とは言い切れないが、拘束者をICE車両に乗せる行為を積極的に支援したなら、聖域都市法に抵触する可能性がある。今回の焦点は、警備と移民取締りの協力の境界線がどこにあるかだ。病院や警察への信頼が揺らげば、移民コミュニティーが必要な医療や安全相談を避ける恐れもある。市には、映像検証と明確な説明が求められる。
日本人コミュニティーの具体的対策
ICEや警察に遭遇した場合は、在留資格に関係なく「黙秘する権利」がある。自宅では、裁判官の署名入りの令状がない限りドアを開けない。外では、虚偽の説明や偽の書類提示は避け、「弁護士と話したい」と伝える。パスポートや在留資格を証明する書類の原本は持ち歩かず、コピーを安全な場所に保管すること。
家族や職場では、緊急連絡先、弁護士、子どもの迎え先、持病の薬の情報を共有しておくこと。拘束された場合に備えて、氏名、生年月日を家族が分かるようにしておくと確認が早くなる。病院や学校に行くことを過度に避けず、不安がある場合は同行を依頼し、移民支援団体やActionNYCなどの無料法律相談に連絡を。ICEに遭遇した際の対策まとめを参照。
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